CABARET VOLTAIRE “Sensoria”

Cabaret Voltaire ‎– Sensoria (Front Cover)
Cabaret Voltaire ‎– Sensoria (Back Cover)

Virgin / Some Bizzare

1984年

Cabaret Voltaireの主要メンバーであり英ニューウェーブ / テクノ / エレクトロニックミュージックの巨匠Richard H. Kirkが昨年2021年9月に65歳で亡くなりました。
WARP Recordsでも知られる都市シェフィールド出身の彼は、Stephen Mallinder、Chris Watsonの3名により1973年にCabaret Voltaire(キャバレーヴォルテール)を結成。
ダダイズム(反芸術運動)の活動拠点であったスイスのキャバレーの名前がバンド名となっていると言われています。

1978年にRough Tradeよりリリースされた「Extended Play」でデビュー。
翌79年に同じくRough Tradeより「Nag Nag Nag」をリリース。
そのサウンドはパンクとノイズをミックスした、過激で独創的なインダストリアルミュージックで脚光を浴びます。

1981年にChris Watson脱退後エレクトリック・ファンク / ダンスミュージックへ路線を変更し、90年代にはテクノへ移行。
94年に発表したアルバム「The Conversation」後に活動を停止、96年にはStephen Mallinderも脱退しCabaret VoltaireのRichard H. Kirkのみとなりました。

Richard H. KirkはCabaret Voltaire以外での活動も意欲的に行っており、自身名義のソロはもちろんSandoz名義ではMuteやSoul Jazz Records、自身のレーベルIntoneなどからDub的アプローチの作品を中心にリリース。

また1990年には、WARP RecordsからParrotことRichard BarrattとのユニットSweet Exorcistで「Testone」をリリース。
ほぼリズムマシーンとイギリスらしいダビーなベースのみで構成されたトラックは、シカゴハウス〜アシッドハウスの進化系的なサウンドで、その後ムーブメントとなった「BLEEP TECHNO」の先駆けとなり、後にLFOやNightmares On Wax、Tricky Discoなどのリリースでヒットが続き、WARP Recordsの名が世界に知れ渡りました。

今回ご紹介した「Sensoria」はエレクトロ・ファンク全盛期のSome Bizzare在籍時にリリースしたダンサンブルなトラックで、1984年にリリースされたアルバム「Micro-Phonies」からのシングルカット。
私個人的にはCabaret Voltaireで一番好きな時代の作品で、ディレイがかったシンセベースとドラムマシーンにサンプリングヴォイスが実験的ながら聴きやすくグルーヴ感があり、同アルバム収録の「Do Right」をミックスした、アルバムヴァージョンとは異なるよりクラブ寄りに仕上がっています。

イギリスの音楽史だけでなく常に世界のテクノ・クラブミュージックシーンの第一線で活躍しリードしてきたRichard H. Kirkが亡くなったことは音楽界にとっても残念な事であり、私が楽曲活動を始めるきっかけとなった尊敬するアーティストの一人がこの世を去ったことを非常に悲しく思うと同時に、これまでに沢山の刺激的な音楽を残してくれたことに対し感謝の気持でいっぱいです。

Richard H. Kirkさんのご冥福をお祈りします。

Tracklist

A. Sensoria
B. Cut The Damn Camera